2026-06-17 遅ればせながら、Molecular Carcinogenesis 誌査読論文としての書誌情報を「出典」の項に追記しました。
2026-04-28 bioRxivプレプリントに準拠した初稿
NCI/NIHのMyriem Boufraqech博士(スタッフサイエンティスト)が責任著者となっているbioRxivプレプリントにて、WWTR1遺伝子によってコードされる転写コアクチベーターのTAZ(transcriptional coactivator with PDZ-binding motif)が、BRAF<V600E>変異を有する未分化甲状腺癌の治療標的候補であることが、紹介されています。
2026-04-28 bioRxivプレプリントに準拠した初稿
NCI/NIHのMyriem Boufraqech博士(スタッフサイエンティスト)が責任著者となっているbioRxivプレプリントにて、WWTR1遺伝子によってコードされる転写コアクチベーターのTAZ(transcriptional coactivator with PDZ-binding motif)が、BRAF<V600E>変異を有する未分化甲状腺癌の治療標的候補であることが、紹介されています。
[詳細]
未分化甲状腺癌(Anaplastic Thyroid Cancer:ATC)は、甲状腺癌の中で最も悪性度の高い形態です。BRAF<V600E>変異によるATCの治療は近年進歩を遂げていますが、しばしば重篤化と死に至る治療抵抗性が依然として大きな課題です。
研究チームは、BRAF<V600E>阻害剤治療への反応性に基づいて設計された特定の
CRISPRノックアウト(KO)スクリーニングとCRISPRaスクリーニングを並行して実施することで [Figure 1- A, D引用右図参照]、ATCにおいてBRAF阻害剤と合成致死性を示すTAZの欠損を同定しました。
CRISPRノックアウト(KO)スクリーニングとCRISPRaスクリーニングを並行して実施することで [Figure 1- A, D引用右図参照]、ATCにおいてBRAF阻害剤と合成致死性を示すTAZの欠損を同定しました。 TAZは、分化型甲状腺腫瘍と比較してATCで過剰発現しています。今回、TAZ欠損ATC細胞は、in vitroおよびin vivoの両方でBRAF阻害剤に対する感受性が亢進していることが確認されました。
多数の癌細胞株を用いた遺伝子必須性スコア解析により、BRAF<V600E>変異を有する癌は、野生型BRAFおよび非BRAF<V600E>変異を有する癌とは異なり、TAZ遺伝子欠損に対して極めて感受性が高いことが明らかになりました。
メカニズム的には、ダブラフェニブが小胞体ストレス下で小胞体ストレス応答(UPR)を誘導し、タンパク質合成を抑制することが明らかにされました。TAZ遺伝子欠損はUPRを抑制し、タンパク質合成の阻害を解除し、ダブラフェニブ投与を受けたATCにおいてフェロトーシスによる細胞死を増加させます。
これらの結果から、TAZはATCにおけるBRAF阻害剤耐性を克服するための新たな標的となることが示唆されました。
[出典]
- "CRISPR-Based Gene Dependency Screens reveal Mechanism of BRAF Inhibitor Resistance in Anaplastic Thyroid Cancer" Noronha S [..] Boufraqech M. bioRxiv. 2025-06-27 (prepirnt). Molecular Carcinogenesis 2026-04-26. https://doi.org/10.1002/mc.70122 [所属] NCI/NIH (米国), University of Texas at Austin, Frederick National Laboratory for Cancer Research, Stanford University (Dept Surgery and Stanford Cancer Institute);(Published in Cold Spring Harbor Laboratory)
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