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[注] PRRSV (porcine reproductive and respiratory syndrome virus / 豚繁殖・呼吸器症候群ウイルス);LAPTM4A (lysosomal protein transmembrane 4 alpha / リソソーム膜貫通タンパク質4α)

 浙江大学のPeng Zhao教授と華南農業大学のChunhe Guo教授が共同責任著者となっているAutophagy 誌刊行論文にて、タンパク質分解、代謝、および小胞輸送に関与する1,332個の遺伝子を標的としたフォーカストCRISPR-Cas9ノックアウトスクリーニングを介して、リソソーム経路に関与する重要な抗ウイルス因子としてLAPTM4A(リソソーム膜貫通タンパク質4α)を同定したことが、紹介されています。

[詳細]

 PRRSVは、宿主細胞内プロセス、特にマクロオートファジー/オートファジーおよびリソソーム機能を操作して、複製と拡散を促進することが、知られています。しかし、PRRSVによるオートファジー・リソソーム軸の改変に関与する宿主因子と分子機構は、十分に解明されていませんでした。
 PRRSVは、感染初期にオートファジーを誘導し、形成された「オートファゴソーム」をウイルス粒子の成熟や複製コンパートメントとして利用します。加えて、オートファゴソームは本来、不要になった細胞内因子を分解する小胞ですが、PRRSVは、オーファゴソームとリソソームとの融合を回避させることで、増殖の場を保護します。
 研究チームは今回、スクリーニングでヒットしたLAPTM4AがPRRSV GP5(糖タンパク質5)と相互作用することを酵母ツーハイブリッド法により確認しました。
 GP5は、E3ユビキチンリガーゼNEDD4(Neural precursor cell expressed developmentally down-regulated protein 4)とオートファジー受容体SQSTM1/p62をリクルートし、LAPTM4AのK63結合ポリユビキチン化を促進してLAPTM4Aのオートファジーによる分解を誘導します。
 この選択的な分解がAMPK-ULK1-MAP1LC3/LC3シグナル伝達カスケードを活性化し、オートファジーを開始すると同時にMTORとリソソームの共局在を促進し、TFEB(Transcription Factor EB)の核移行とリソソーム関連遺伝子の転写を抑制します。こうして、不完全なオートファジー・フラックスがウイルス複製を促進するという分子機構が明らかにされました。
 一方でLAPTM4Aは、AMPK-ULK1-LC3シグナル伝達による過剰なオートファジーを抑制し、RPTOR/raptorとMTORの結合を阻害することでTFEB依存性リソソーム遺伝子発現を促進し、リソソームの恒常性を維持することで、複数のRNAウイルスに対する広範な抗ウイルス防御を提供していたのです。
 こうして、LAPTM4Aがリソソーム・オートファジー恒常性の中心的な調節因子であること、そして、ウイルスがこの防御軸を巧妙に逆用して感染を促進する戦略をとっていることが明らかにされました。

[出典]

  • "A CRISPR-Cas9 screen identifies LAPTM4A (lysosomal protein transmembrane 4 alpha) as a key host barrier against PRRSV infection" He Z [..] Zhao P, Guo C. Autophagy 2026-04-22. https://doi.org/10.1080/15548627.2026.2664607 [所属] South China Agricultural University, Zhejiang University, Chunhe Guo South China Agricultural University
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