[注] MASLD (Metabolic dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease) / 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)
中山大学のJianxu Chen准教授が共同責任著者として加わっているJournal of Advanced Research 誌刊行論文において、脂肪肝細胞においてゲノムワイドCRISPRノックアウトスクリーニングを実施し、脂質蓄積の重要なドライバーとしてエピジェネティック因子であるTATAボックス結合タンパク質関連因子(TAF1C)を特定し、ひいては、MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)のための治療標的が明らかにしたことが、紹介されています。
[詳細]
MASLDは、最も一般的な肝疾患として注目を集めています。しかし、有効な治療標的が不足しているため、現在、臨床的に満足のいく薬剤は存在していません。
今回、中山大学の病院や研究所に籍を置く研究者達と籍をおいていた研究者(現 厦門大学)が、脂肪肝細胞においてゲノムワイドCRISPR/Cas9ノックアウトスクリーニングとATAC-seqを用いて、TAF1CがMASLDの重要なエピジェネティック決定因子であることを特定しました。
- TAF1の第2プロモドメインを特異的に阻害するCeMMEC13によって、肝脂肪症が有意に軽減されました。
- TAF1Cのノックダウンによって、in vitroおよびin vivoの両方において、脂肪肝細胞における脂質蓄積を有意に改善されました。
- TAF1Cの発現は、MASLDの進行に伴い肝組織で徐々に増加し、TAF1Cの過剰発現によって、脂肪肝細胞における過剰な脂質沈着が誘導され、フェロトーシスを招くことになります。
[以下、[グラフィカルアブストラクト引用右図参照]
TAF1Cは、H3K4メチルトランスフェラーゼSETD1A(SET domain containing 1A)と直接相互作用し、H3K4me3およびH3K27me3修飾を付与することでエピジェネティック・ランドスケープを再プログラムします。TAF1Cが、この再プログラミングを介してACSL4の発現を増加させ、脂質合成を促進し、フェロトーシスを誘導します 。[出典]
- "Genome-wide CRISPR screen identifies TAF1C as an epigenetic determinant of lipid deposition via ACSL4-dependent ferroptosis in MASLD" Gong Y, Chen J, Zhang F [..] Zheng J, Liu X, Chen J. J Adv Res. 2026-04-22. https://doi.org/10.1016/j.jare.2026.04.049 [所属] Sun Yat-sen University, Xiamen University.
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