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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 新生血管性眼疾患(NED)は、眼の血管の異常な過剰増殖によって引き起こされる疾患群です。正常な血管構造は、血管内皮増殖因子(VEGF)の動的なバランスによって維持されていますが、進行した糖尿病網膜症(diabetic retinopathy:DR)や新生血管性加齢黄斑変性(neovascular age-related macular degeneration:AMD)などの疾患では、VEGFの過剰発現により、構造的に脆弱で漏出しやすい血管が形成され、視力障害を引き起こし、治療を行わなければ法的に失明と認定されるに至ります。
 臨床現場では、NEDは現在、VEGFシグナル伝達に特異的に結合して中和する抗VEGF剤によって治療されています。この治療法は効果的ではありますが、硝子体内注射という侵襲的な処置が毎月必要であり、患者と医療従事者に大きな負担となっています。こうした頻繁な抗VEGF治療を軽減または不要にできる、柔軟で持続的な治療法が求められています。
 RNAを標的とするタイプのCRISP-Casシステムを介したRNA編集は、可逆的な遺伝子編集を実現するための新たな戦略として注目されています。CRISPR-Cas13システムは一本鎖RNAのみを標的とし、ゲノムを損傷することなくRNAノックダウンによって安全な遺伝子サイレンシングを可能にします。さらに、コンパクトなCasRx酵素(930アミノ酸)は、単一のアデノ随伴ウイルス(AAV)の導入によってRNAサイレンシングを実現できるため、遺伝子治療に最適です。
 ここでは、オーストラリアの研究チームが、哺乳類細胞株およびヒト化VEGFAトランスジェニックマウスにおいて、CRISPR/CasRxによるVEGFA mRNAの編集について概説しています。

[出典]
  • PROTOCOL "Evaluation of CRISPR/CasRx-Mediated VEGF mRNA Knockdown in Mouse Retina" Kumar S, Zhao D, Wong VHY, Bui BV, Liu GS. In: Carvalho, L.S. (eds) Retinal Gene Therapy. Methods in Molecular Biology 2026-04-01. https://doi.org/10.1007/978-1-0716-5198-8_2 [所属] Royal Victorian Eye and Ear Hospital (オーストラリア), University of Melbourne,  University of Tasmania
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