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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 ソルボンヌ大学博士課程のMaria Inés Freiberger氏が、同大のMarina Abakarova研究員Arnaud Liehrmann研究員の協力を得ながら、同大学のElodie Laine教授とパリ・シテ大学のPIであるMichael Reraの指導のもとに開発した標題のProteoCastが、Nature Communications 誌刊行論文にて紹介されています。また、Proteome-wide prediction of the functionalProteoCastを対話型で利用できるWebサイト(https://proteocast.ijm.fr/)が用意されています [右図はWebサイトのトップページの一部のスクリーンキャプチャ]

[詳細]

 PtoetoCastは、Elodie Laine教授ら開発していたGlobal Epistatic Model for predicting Mutational Effects (GEMME) [www.lcqb.upmc.fr/GEMME; Laine E et al., Mol Biol Evol. 2019] の拡張版にあたります。GEMMEは、進化系統樹のトポロジーに沿ってタンパク質残基がどのように分離するかに着目することで、タンパク質の安定性、機能、および疾患メカニズムの研究に大きく貢献してきたことが証明されています。特筆すべきは、GEMMEはESM-2 [crisp_bio 2023-04-27]、EVE [Frazer J et al., Nature 2021]、PoET [Truong Jr T & Bepler T. Adv Neural Inf Process Syst 2023] などの深層学習予測ツールよりも100~10,000倍高速であり、高性能GPUリソ​​ースを必要としない点です。これを、費用対効果が高く、小規模で多様な多重配列アライメント(MSA)を提供するColabFold [Mirdita M et al., Nat Methods 2022] プロトコルと組み合わせることで、GEMMEはわずか数日で数万個のタンパク質の変異ランドスケープを計算することを可能にし、大規模研究に特に適しています。
 ここでは、プロテオーム全体にわたる単一点遺伝子変異の優先順位付けを容易にする、スケーラブルで完全自動化された計算フレームワークであるProteoCastを開発することでGEMMEを拡張し、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)に適用されました。
  ProteoCastは、ミスセンス変異がタンパク質機能に及ぼす影響をシームレスに推定し、どの残基が変異に敏感であるかを決定し、この情報をタンパク質の3D構造にマッピングし、さらに、予測された変異ランドスケープをセグメント化することにより、構造化されていない領域における推定結合部位と調節部位を特定します。
 ショウジョウバエの22,000種類のタンパク質アイソフォームに対し、自然選択または人為選択による遺伝的変異、既知の機能低下変異および致死変異を含む386,000個を超える単一アミノ酸変異についてProteoCastを適用し、ミスセンス変異の影響を予測しました
 近交系DGRP(Drosophila Genetic Reference Panel)系統、自然集団DES(https://shorturl.at/VrrLn)、およびFlybaseに記載されている既知の致死変異を用いて、予測結果を検証しました。ProteoCastは、既知の致死変異の85%を正しく分類しました。
 ProteoCastを利用するとCRISPR GEを介したタンパク質バリアント検証において最も有意義な標的アミノ酸を同定することができます。実証実験では、これまで報告されていないタンパク質Naprtに、ProteoCastで予測される影響の大きい3つの変異と予測される中立的な2つの変異をCRISPR GEにて導入したところ、影響の大きい3つの変異はホモ接合体致死性であり、中立的な2つの変異はそうではないことが確認されました。

[出典] 
  • "Proteome-wide prediction of the functional impact of missense variants with ProteoCast" Abakarova M, Freiberger MI, Liehrmann A, Rera M, Laine E. Nat Commun. 2026-04-27. https://doi.org/10.1038/s41467-026-72140-1 [所属] Sorbonne Université, Université Paris Cité, Institut Universitaire de France 
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