反芻動物(ruminant)の消化管に生息する微生物は、リグノセルロース分解とエネルギー変換において重要な役割を果たしています。原核生物に感染するウイルスは、宿主の個体数と代謝を左右する上で極めて重要な役割を担っています。しかし、その重要性にもかかわらず、この環境における宿主とウイルスの関係を予測することは、特定のCRISPRスペーサーのデータセットの不足などにより、依然として限定的です。
宇都宮大学農学部生物資源学科の佐藤元映助教は今回、主に公開されているルーメン関連原核生物ゲノム47,306件の19.9%(9,391件)から抽出した181,023個のCRISPRスペーサーからなるデータベース「RuSpacer」を構築しました。各スペーサーには、由来するゲノムの分類学的情報が付与されています。RuSpacerは、スペーサーとプロトスペーサーのマッチングによる宿主・ウイルス予測を可能にし、特にルーメン生態系においてその有用性を発揮します。また、既存の公開されているスペーサーデータセットと統合して、ルーメン以外の環境における宿主・ウイルス予測にも利用できます。
全体として、このリソースは、家畜やその他の複雑な微生物叢における宿主・ウイルス相互作用、微生物生態学、およびウイルスベースの生物的防除戦略に関する研究を支援します。
[出典]
- "RuSpacer: a CRISPR spacer database derived from ruminant-associated prokaryotes for virome analysis" Sato Y. Sci Rep. 2026-04-25. https://doi.org/10.1038/s41598-026-49729-z [所属] 宇都宮大学
- データベースはfigshareにて入手可能:https://doi.org/10.6084/m9.figshare.28937720
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