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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] セクレトーム (secretome):ある生物によって発現され、細胞外空間へ分泌されるタンパク質の総体 [wikipedia];分泌タンパク質群
- HMSのNorbert Perrimon教授 (HHMI)とPerrimon研究室のJustin A. Bosch博士研究員 (現 ユタ大学助教授) が共同責任著者となっているNature Communications 誌刊行論文から

 分泌タンパク質は動物の生物学的機能の多くの側面を制御しており、バイオマーカーや治療薬の魅力的な標的となっています。しかし、分泌タンパク質群とその由来組織を包括的に特定することは依然として極めて困難です。著者らはこの課題に取り組むため、マルチ・オミクスを用いて、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster )の特定の細胞型および臓器由来の535種類の血漿タンパク質からなる組織分泌タンパク質群マップを作成しました。
 このマップは、10種類の主要組織における内因性分泌タンパク質を標識*するためのトランスジェニックショウジョウバエのコレクション、大規模な血液分離、TurboID近接標識法*、質量分析法、単一核RNAシーケンス(snRNA-seq)、および40種類のCRISPRノックイン系統といった方法論を組み合わせることで実現されました [下図左はFgiure 1 - a,bから引用したTurboIDによる標識と質量分析の概要;下図右はFgiure 1 - d~gから引用した535種類の血漿タンパク質の概要]

Multi-omic mapping of Drosophila protein 1-1Multi-omic mapping of Drosophila Fig. 1-2
 このマップを用いて、血中循環タンパク質の特徴を明らかにすることに成功しました。その多くは、グリア細胞など通常とは異なる由来を含む特定の組織に由来し、多くのタンパク質は未解明でしたが、一部は膜貫通タンパク質の脱落した細胞外ドメインでした。
 さらに、生体内実験では、組織特異的な発現を示す血中循環タンパク質や、生成された組織とは異なる組織に沈着するタンパク質という臓器間コミュニケーションの候補メディエーターが特定されました。
 こうして、分泌タンパク質発見のための拡張可能なプラットフォームが確立され、組織間シグナル伝達の体系的な研究への道を開くに至りました。

[出典]
  • "Multi-omic mapping of Drosophila protein secretomes reveals tissue-specific origins and inter-organ trafficking" Bosch JA [..] Perrimon N. Nat Commun. 2026-04-20. https://doi.org/10.1038/s41467-026-71763-8 [所属] Harvard Medical School (Dept Genetics/Blavatnik Institute; Dept Medicine; HHMI), Broad Institute of MIT and Harvard, Beth Israel Deaconess Medical Center (Division of Signal Transduction), Stanford University (Dept Genetics, Biology, and by courtesy, Chemistry), MIT (Dept Chemistry), Chan Zuckerberg Biohub-San Francisco
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