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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

ー 米国立がん研究所(NCI)のがん研究センター(CCR)の研究者達とCRISPR Therapeuticsの研究者達が投稿し、CCRの分子生物学研究室副主任であり抗体工学プログラムのディレクターでもあるMitechell Ho博士が責任著者となっているbioRxivプレプリントから

 患者自身の細胞(自家細胞)に由来するキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、固形腫瘍において限定的な有効性しか示していません。これは、進行期疾患で化学療法などの治療を受けた患者由来の自己T細胞のばらつきが一因となっています。
 今回著者らは、健常ドナー由来の(他家)T細胞にCRISPR-Cas9 GEを施し、TRAC(T細胞受容体α鎖定常領域)遺伝子座へのCAR挿入と、HLAクラスI分子の構造安定化に必須のB2M 遺伝子の破壊が同時に実現された、既製(off-the-shelf)の同種CAR-T細胞プラットフォームを開発しました。
 このプラットフォームにて「小児および成人の固形腫瘍で発現する新たな抗原であるグリピカン-2(GPC2)およびグリピカン-3(GPC3)を標的とするCAR-T細胞」が設計・作出されました。アデノ随伴ウイルス(AAV)で送達されたゲノム編集同種CAR-T細胞は、複数の腫瘍モデルにおいて強力な抗原特異的細胞傷害性を示しました。 
  • GPC2標的同種CAR-T細胞は、神経芽腫モデルにおいて従来のレンチウイルスCAR-T細胞と比較して、同等またはそれ以上の活性を示し、前臨床モデルでは腫瘍退縮と生存期間の延長を誘導しました。特に、反復投与により抗腫瘍効果が増強され、毒性の兆候は認められなかったことから、固形腫瘍に対する複数回投与レジメンの可能性が示唆されました。
  • 単一ドメイン抗体に基づくGPC3標的同種CAR-T細胞は、in vitroおよびin vivoにおいて肝細胞癌細胞に対して強力な活性を示しました。
 今後、こうして確立されたゲノム編集された同種CAR-T戦略が、小児および成人の固形腫瘍に対する既製細胞療法の臨床開発に貢献していくことが期待されます。

[出典]
  • "Allogeneic CRISPR-Engineered CAR-T Cells Drive Potent Antitumor Activity in Solid Tumors" Huo M [..] Ho M. bioRxiv 2026-04-29 (preprint). https://doi.org/10.64898/2026.04.25.720815 [所属] NCI/NIH (Laboratory of Molecular Biology, Center for Cancer Research) (米国), CRISPR Therapeutics 

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