春大麦品種ゴールデンプロミス(GP)は、高い形質転換能と参照ゲノムの入手可能性から、形質転換における主要な参照遺伝子型として用いられています。しかし、GPは花芽形成遺伝子Photoperiod-H1(Ppd-H1)に突然変異を持つことから、世代交代が長く、生育条件が最適でない場合にはストレス感受性が高いという特徴があります。
Heinrich-Heine-Universität DüsseldorfのMaria von Korff Schmisin教授 (旧名 Maria von Korff)
らは以前の研究で、冬大麦品種Igriから野生型 Ppd-H1 アレルを導入して作出したGP染色体置換系統(introgression line)ゴールデンプロミス-ファースト(GP-fast)が、早期開花とストレス耐性の向上を示すことを明らかにしました [Gol L et al., J Exp Bot. 2021-01-20;Lan T et al., Plant Physiol. 2025-03-28 ]。
Maria von Korffらは今回、GPと同質遺伝子で、高い再生能力と形質転換能を持つ高速生育遺伝子型ゴールデンプロミス-ラピッド(GP-rapid)を作出しました。
GP-fastの残存Igriゲノムを低減するため、2回の戻し交配を行いました。遺伝子型解析の結果、新たに作出されたGP-rapidは、染色体2H上のPpd-H1 遺伝子座周辺にわずか0.6 MbpのIgri 遺伝子導入領域のみを有し、この領域には26個の遺伝子しか含まれていないことが明らかになりました。
GP-rapid系統は、高速育種条件下で63日で1世代を完了し、GPの84日よりも25%短縮されました。
また、CRISPR/Cas9を用いたPpd-H1のゲノム編集によるGP、GP-fast、GP-rapidの並行形質転換により、GP-rapidはアグロバクテリウムを介した形質転換に適していることも明らかになりました。
重要なことに、GP-rapid系統は、今回の実験条件下において、GP系統の世代交代能力と形質転換能を維持していました。
また、CRISPR/Cas9を用いたPpd-H1のゲノム編集によるGP、GP-fast、GP-rapidの並行形質転換により、GP-rapidはアグロバクテリウムを介した形質転換に適していることも明らかになりました。
重要なことに、GP-rapid系統は、今回の実験条件下において、GP系統の世代交代能力と形質転換能を維持していました。
[出典]
- "Golden Promise-rapid, a fast-cycling and transformable barley genotype" Buchmann G [..] von Korff Schmising M, Liu S. (bioRxiv 2025-10-31) J Exp Bot 2026-04-22. https://doi.org/10.1093/jxb/erag197 [所属] Heinrich-Heine-Universität Düsseldorf (Institute for Plant Genetics; Cluster of Excellence on Plant Sciences "SMART Plants for Tomorrow's Needs")
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