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 クオラムクエンチング酵素(QQE)は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)におけるバイオフィルム形成を制御するメカニズムであるクオラムセンシング(QS)を阻害します。QSは、適応性抗生物質耐性の重要な因子であることから、QQEは、抗病原性戦略の武器として有望です。グアダラハラ大学のOrfil González-Reynoso教授を責任著者とするComputational and Structural Biotechnology 誌刊行論文にて、最も代表的なQQEである内因性PvdQの産生を増強する遺伝子標的を同定し、CRISPR-Cas9 GE技術を介してQQ(クオラムクエンチング)活性を高める戦略の可能性が、紹介されています。

[詳細]
 研究チームはまず、先行研究で開発していたゲノムスケールの代謝モデルiJD1249 [Delgado-Nungaray JA,et al., Metabolites 2025]と、LB培地およびQS活性化条件下での増殖をシミュレートしたフラックスバランス解析に基づくシステム生物学的手法を用いて、内因性PvdQ産生増強に関連する遺伝子10個を同定しました。[グラフィカルアブストラクト引用右下図の中の図1と図2参照]Rational Targeting and gRNA
 その中で、パルミチン酸生合成II経路に関与するfabI遺伝子が最も有望な標的として浮上しました。 そのノックアウトは、QSシグナル生合成に必要なアシル-アシルキャリアタンパク質中間体の利用可能性を制限し、代謝再分配を介してpvdQ発現に影響を与える可能性があると予測されました。また、PvdQによって直接影響を受ける意図しないピオベルジン増強を避けるために、pvdH もノックアウトの対象に加えました。
 続いて、fabI 遺伝子とpvdH 遺伝子ノックアウトに有効なガイドRNAをCHOPCHOPと2D構造検証を組み合わせて、特定しました [グラフィカルアブストラクト引用右上図内の図3参照]
 P. aeruginosa PAO1がPvdQなどのQS破壊酵素を既にコードしている場合、これらの内因性メカニズムを活用することで、病原体のシステムを病原体自身に不利な方向に転換させ、耐性に対する選択圧を軽減し、AMRとの闘いに貢献する新たな治療戦略が提供される可能性もあります。
 今後、fabI およびpvdH ノックアウトの実験的検証によって、多剤耐性(MDR)に対する新たな抗病原性戦略の可能性が示されるでしょう。

[出典]
  • "Rational Targeting and gRNA Design for Enhancing Quorum Quenching in Pseudomonas aeruginosa PAO1" Delgado-Nungaray JA, Figueroa-Yáñez LJ, Reynaga-Delgado E, García-Ramírez MA, Gonzalez-Reynoso O. Comput Struct Biotechnol J 2026-05-04. https://doi.org/10.34133/csbj.0089 [所属] University of Guadalajara (Chemical Engineering Dept; Pharmacobiology Dept; Electronics Dept) (メキシコ), Industrial Biotechnology Unit CIATEJ
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