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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 mRNAベースの治療法の臨床応用において、肝臓以外の組織へ正確に送達することが大きな課題となっています。臓器指向性脂質ナノ粒子(LNP)を設計する手法はこれまで、主にイオン化可能な脂質頭部またはリンカーの化学修飾に注目してきました。しかし、このアプローチは、達成可能な標的プロファイルの多様性が制限され、脂質骨格の構造的潜在能力を十分に引き出すことができません。

 今回、中山大学の広東省悪性腫瘍エピジェネティクス・遺伝子制御重点実験室の研究者達を主とする中国の研究チームが、これらのLNPの限界を脂質尾部の多様性を合理的に設計することで打破したプラットフォームである不均一尾部heterogeneous tail:HETAIL)LNPを、Materials Today 誌から紹介しています。

  • 脂質尾部の飽和度、長さ、分岐を系統的に制御することで、肝臓、肺、脾臓、リンパ節、骨髄など、幅広い組織へと高度に選択的なmRNA送達を可能にするLNPライブラリーを設計することに成功しました。

  • HETALのメカニズムとして、尾部の不均一性が脂質のpKa (power of the acid dissociation constant / 酸解離定数) を微調整し、全身投与時に異なるタンパク質コロナの形成を制御することで、臓器選択性を決定することが明らかにされました。

  • さらに、分子動力学シミュレーションにより、尾部の多様性が膜の微細構造と熱力学的エネルギーを根本的に変化させ、細胞への取り込みを制御する独自の界面挙動をもたらすことが示されました。

  • 最後に、HETAIL LNPは生体内で臓器選択的なCRISPR/Cas9を介したゲノム編集を実現し、このプラットフォームの大きな治療可能性を示しました。

[出典] 

  [著者所属機関]

  1. Guangdong Provincial Key Laboratory of Malignant Tumor Epigenetics and Gene Regulation, Medical Research Center, Sun Yat-Sen Memorial Hospital, Sun Yat-Sen University, Guangzhou 510120, PR China

  2. Department of Integrative Structural and Computational Biology, The Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA

  3. Koch Institute for Integrative Cancer Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA

  4. School of Materials Science and Engineering, Hunan University of Science and Technology, 2 Taoyuan Street, Xiangtan 411201, PR China

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