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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] EGOLDEndogenous Genome-wide Off-target Library Detection / 内因性ゲノムワイドオフターゲットライブラリ検出)


 CRISPR GEは強力なツールですが、その臨床応用は、依然として、オフターゲット効果によって制限されています。また、オフターゲット効果をゲノムワイドで評価することも、探索空間が膨大な中で、オフターゲット編集は低頻度かつゲノムコンテキストに依存することから、依然として、困難です。


 中国農業科学院深圳農業基因組研究所に籍を置く研究者達が今回、Decoding the role of chromatin context 1オフターゲット効果に対するクロマチンコンテキストの関与に注目して、オフターゲット効果のハイスループット検出とクロマチンコンテキストによるバイアスの特定を目的とするEGOLD法を開発し、一連の塩基エディターのオフターゲット効果を評価した結果を、Cell Discovery 誌刊行論文から紹介しています [EGOLDの設計についてFig. 1引用右上図参照]

  • EGOLD法を用いて17種類*のゲノム編集ツールのオフターゲット特性を定義したところ、合計2,145,592個のオフターゲットが検出され、ツールごとに1,236~618,774個のイベントが検出されました。[*] Cas9, RYCas9, SuperFiCas9, HypaCas9, HiFiCas9, eCas9, OptiCas9, Sniper2LCas9, TadA-8e-nCas9, TadA-8e-nRYCas9, Tad-8e-nSuperFiCas9, rAPOBEC1-nCas9, rAPOBEC1-nRYCas9, rAPOBEC1-nSuperFiCas9, YE1-nCas9, YE1-nRYCas9, YE1-nSuperFiCas9.

  • CRISPR/Cas9およびその派生技術である塩基編集ツールのオフターゲット頻度は40〜80%の範囲でしたが、クロマチンコンテキストの影響を強く受けていました。

  • 配列コンテキストの影響を排除するために厳密な標的部位条件を設定した大規模な内因性オフターゲットデータセットを用いて、オフターゲット効果はクローズドクロマチン領域よりもオープンクロマチンゲノム領域で有意に高い頻度で発生することが、見出されました。

  • EGOLD-Seqのオフターゲット・クロマチンコンテキスト・データを組み込んでDecoding the role of chromatin context 5機械学習ベースの遺伝子編集活性モデルを訓練することで [FIg. 5引用右図参照]、オフターゲット予測精度が大幅に向上し、従来の手法では予測されていなかったオフターゲット効果が見出されました。

 

 これらの知見と付属のツールキットは、メカニズム研究と安全かつ高精度なCRISPRベースツールの開発に役立つでしょう。


[出典] 

  • "Decoding the role of chromatin context in the off-target effects of CRISPR gene editing with EGOLD" Hu Feng (1), Jitan Zheng (1,2), Nana Li (1,3), Long Xie (1), Erwei Zuo (1). Cell Discov. 2026-05-13. https://doi.org/10.1038/s41421-026-00889-2

  (著者所属機関)

  1. State Key Laboratory of Genome and Multi-omics Technologies, Shenzhen Branch, Guangdong Laboratory of Lingnan Modern Agriculture, Key Laboratory of Gene Editing Technologies (Hainan), Ministry of Agriculture and Rural Affairs, Agricultural Genomics Institute at Shenzhen, Guangdong, Chinese Academy of Agricultural Sciences, Shenzhen, Guangdong, China

  2. State Key Laboratory for Conservation and Utilization of Subtropical Agro-Bioresources, College of Animal Science and Technology, Guangxi University, Nanning, Guangxi, China

  3. Key Laboratory of Agricultural Animal Genetics, Breeding and Reproduction of Ministry of Education & Key Lab of Swine Genetics and Breeding of Ministry of Agriculture and Rural Affairs, Huazhong Agricultural University, Wuhan, Hubei, China

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