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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2026-07-01 Broad InsituteからのNEWS記事へのリンクを以下に追記しました:
"Scientists improve nearly every aspect of prime editing, moving it closer to treating more genetic diseases"  Lean Eisenstadt. Broad Institute 2026-06-15.
 https://www.broadinstitute.org/news/scientists-improve-nearly-every-aspect-prime-editing-moving-it-closer-treating-more-genetic
 「編集効率と送達技術の向上は、生体内(in vivo)でのプライム編集による遺伝病の治療法の実現に向けた重要な一歩です」とされています。

2026-05-22
Nature Biotechnology 誌刊行論文に準拠した初稿
 プライム編集(PE)を発明したDavid R. Liu博士の研究チームは今回、
Nature Biotechnology 誌において、PEの効率を高める構造化RNAモチーフの指向性進化について報告しています。

[詳細] このテキストはDavid R. Liu博士のX投稿スレッドに準拠しています。

 PEは多様でゲノム改変をプログラム可能にしましたが、PEの構成要素であるpegRNAの安定性が依然として重要な制約になっています。研究チームはこれまでに、pegRNAの安定性と編集効率を改善することを目的として、pegRNAの3'末端にtevopreQ1などの構造化モチーフを持つ人工ペグRNA(epegRNA)を開発してきました [crisp_bio 2021-10-15 参照]。しかし、これまでに試験されたモチーフはごく少数に限られていました [Fig. 1 -a 引用下図参照]

“Directed evolution of small RNA 1 - a

 研究チームは今回、広範なRNA配列空間からヒト細胞において機能する3'RNAモチーフを探索・同定および最適化するためのハイスループットプール型スクリーニング法 PE-PRISM(PE pooled reporter for identification of structured motifs)を開発しました [Fig. 1- d引用下図参照]

“Directed evolution of small RNA 1-d

 このPE-PRISMを介して、天然と人工のシュードノットグアニン四重鎖、逆転写酵素リクルートメント要素を含む4つの反復ライブラリにわたる2,858種類のRNAモチーフを評価しました。その中から、epegRNAの実現させたtevopreQ1と同等の性能を示す野生型シュードノットをいくつか特定するに至りました [Fig. 1 - f 引用下図参照]

 “Directed evolution of small RNA 1 - f

 PE -PRISMからのヒットを、反復的なプール型スクリーニングと構造誘導型変異誘発を介して、最適化されたコンパクトなモチーフへと進化させ、最終的に人工および進化したシュードノット変異体evo2.0、eHAV、およびeSBRMV1-Aに至りました [Fig. 2 - a, b 引用下図参照]。

“Directed evolution of small RNA 2- a, b

 続いて、これらの進化型モチーフを、847個の病原性ClinVar変異を修正するスクリーニングを介して評価しました。その中で、最も優れた性能を示したモチーフは90%を超える編集において、これまで広く用いられてきたtevopreQ1モチーフを上回る編集効率を示しました [Fig. 4-d引用下図参照]

“Directed evolution of small RNA 4 -d
 これらのモチーフ(第二世代モチーフ)の性能向上は、tevopreQ1と比較して細胞内epegRNAレベルが増加することで実現されていたことが、定量的な細胞内存在量のアッセイを介して、確認されました [Fig. 4 -i, j引用下図参照]

“Directed evolution of small RNA 4-i,j

 さらに、第二世代モチーフを利用することで、最適な送達方法を用いた場合に、ヒト初代造血幹細胞および不死化ヒト気管支上皮細胞における病原性変異部位を含め、編集効率が大幅に向上しました [Fig. 3 - e, f 引用下図参照]

“Directed evolution of small RNA Fig. 3 - e, f
 pegRNAの寿命が特に制限要因となる一時的な送達条件では、生体内における編集効率の向上が顕著でした。第二世代モチーフを利用したPEシステムは、ウイルスベクターではなく人工ウイルス樣粒子または脂質ナノ粒子を介して送達することで、最大4.6倍の編集効率が得られました [Fig. 5 -c 引用下図参照]
“Directed evolution of small RNA Fig. 5 - c

 David R. Liu博士は、PEの新たな標準として、HAV、eHAV、およびtevo2.0 epegRNAモチーフの使用を推奨しています [Fig. 4-e 引用下図参照]

Directed evolution of 4-e

[出典] 

  • Directed evolution of small RNA-stabilizing motifs that improve prime-editing efficiency” Holt A. Sakai (1-3), Sarah E. Pierce (1-3) [..] David R. Liu (1-3). Nat Biotechnol. 2026-05-20.  https://doi.org/10.1038/s41587-026-03123-2 

  [著者所属機関]

  1. Merkin Institute of Transformative Technologies in Healthcare, The Broad Institute of MIT and Harvard, Cambridge, MA, USA. 
  2. Department of Chemistry and Chemical Biology, Harvard University, Cambridge, MA, USA. 
  3. Howard Hughes Medical Institute, Harvard University, Cambridge, MA, USA. 
  4. Broad Institute of MIT and Harvard, Cambridge, MA, USA.
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