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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

 ホーミング型CRISPR-Cas9遺伝子ドライブ(CRISPR-Cas9 gene drives:CCGD)は、野生生物集団を遺伝的に制御可能とする強力なツールであり、疾病の根絶から種の保全まで幅広い用途があります。しかし、Cas9単独、あるいはガイドRNAとの複合体は、標的以外の部位(オフターゲット)で二本鎖DNA切断(DSB)を引き起こす可能性があり、突然変異の負荷増大や、意図しないヘテロ接合性喪失(LOH)事象につながる可能性があります。これらの望ましくない影響は、長期間にわたりCCGDの安全性に懸念をもたらしますが、その影響の大きさは不明です。
 UCSDのSergey Kryazhimskiy准教授が率いる研究チームは今回、ゲノム中にCCGDまたはCas9単独が存在することがLOH事象および新規突然変異の発生率にどのように影響するかを測定するため、酵母 Saccharomyces cerevisiae を用いて突然変異蓄積実験を実施しました。その結果、ゲノム全体の突然変異率またはLOH事象の発生率に検出可能な影響は見られませんでした。
 研究チームの計算によると、CCGDまたはCas9はこれらの率に30%未満の影響しか与えず、これは酵母におけるこれらの形質の自然変動よりもはるかに小さい値です。より詳細な検討では、CCGDまたはCas9はLOHイベントの長さとゲノム分布を変化させる可能性があることが示されていますが、これらの影響を裏付ける統計的根拠は弱いものでした。
 したがって、酵母モデルにおいてCCGDはせいぜいわずかな追加的な変異負荷しか与えないことを示し、他の生物種でもさらに評価する必要がありますが、適切に設計された遺伝子ドライブがもたらす進化的リスクは許容範囲内であるという想定を支持する結果となりました。

[出典] "Upper bound on the mutational burden imposed by a CRISPR-Cas9 gene-drive element" Michael S. Overton (1), Sean E. Guy (1,3) [..] Sergey Kryazhimskiy (1). G3 (Bethesda) 2026-02-18. https://doi.org/10.1093/g3journal/jkaf315
  1. Department of Ecology, Behavior and Evolution, University of California San Diego, La Jolla, CA 92093, USA
  2. Department of Cell and Developmental Biology, University of California San Diego, La Jolla, CA 92093, USA
  3. Present affiliation:Department of Anatomy, Biochemistry & Physiology, University of Hawaii at Manoa, Honolulu, HI 96822, USA
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