UC BerkeleyのDavid Savage教授とKrishna K. Niyogi栄誉教授が率いるUC Berkeleyの研究チームによるNature Reviews Bioengineering 誌刊行レビューです。
人為的な炭素排出が地球の炭素循環を不安定化させ、気候と生物多様性に連鎖的な影響を及ぼしています。植物を用いた二酸化炭素除去(carbon dioxide removal:CDR)は、土壌への炭素沈着、専用のバイオマス栽培、戦略的なアグロフォレストリー(agroforestry:agro-とforestry からの造語)を通じて、大気中の炭素隔離(carbon sequenstration)を実現する、拡張可能で経済的に実現可能な道筋を示しています。
光合成は陸上における炭素吸収の原動力ですが、効果的なCDR戦略には、炭素の同化、保持、貯蔵の遺伝的最適化が不可欠です。遺伝子組み換え作物(Genetically Modified Organism:GMO)に対する規制は厳しい一方で、ゲノム編集作物寛容な状況なことから、炭素の生物学的隔離の可能性が高まっています。
CRISPRベースの編集技術、植物形質の計算予測、植物体内での遺伝子編集ツール送達システムの進歩により、光合成効率と炭素隔離能力を高めていく精密な植物工学の可能性も広がっています。
レビューでは、気候変動対策に関連する規模で植物を用いたCDRを実現するために必要な分子レベルおよび生理学的イノベーションについて概説されています。続いて、炭素回収そのものの最適化に加え、バイオマス蓄積の促進、窒素と水の利用効率の向上、植物および土壌系における炭素貯蔵の安定化を図るための戦略が検討されています。さらに、ゲノム編集作物を地球規模の炭素管理の基盤として活用することの可能性、実施上の課題、そして潜在力について評価されています。
[キーポイント]
- 植物の光合成機構は地球の気候に適応するためにゆっくりと進化してきましたが、気候変動に対応するためには遺伝子工学による迅速な適応が必要です。
- 光合成は理論的にも経験的にも光と炭素の収穫効率が低く、これらの非効率性の遺伝的基盤は完全には解明されていません。
- ゲノム編集は、農作物における土壌炭素沈着量の増加、炭素隔離作物栽培の農学的改良、樹木の炭素同化能力の向上などを通じて、植物による二酸化炭素除去に利用できます。遺伝子編集による光合成の改善は、これらのアプローチすべての農学的可能性を高めるでしょう。
- 新しいゲノム編集ツールは、ゲノム言語モデル[#] などの機能的ゲノム推論手法と組み合わせることで、作物の炭素同化に対する制約を取り除きつつ、遺伝子組み換えに伴う規制上の障壁をほぼ回避できるシス遺伝子編集を可能にする。
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- 2026-03-05/2026-03-26 生成生物学 (generative biology) の新展開:原核単細胞生物のAIモデルEVOが全生物界のAIモデルEVO 2へと進化.
[出典] Review "Genome engineering of plant photosynthesis for carbon sequestration"
Evan D. Groover (1,2), Flora Z. Wang (1,2) [..] David F. Savage (2,3,4), Krishna K. Niyogi (1,2,4,5). Nat Rev Bioeng 2026-05-26. https://doi.org/10.1038/s44222-026-00453-3
- Department of Plant and Microbial Biology, University of California, Berkeley, Berkeley, CA, USA
- Innovative Genomics Institute, University of California, Berkeley, Berkeley, CA, USA
- Department of Molecular and Cellular Biology, University of California, Berkeley, Berkeley, CA, USA
- Howard Hughes Medical Institute, University of California, Berkeley, Berkeley, CA, USA
- Molecular Biophysics and Integrated Bioimaging Division, Lawrence Berkeley National Laboratory, Berkeley, CA, USA
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