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 中国農業大学のQijun Chen教授は、CRISPR-Cas9システムによる植物ゲノム編集に続いて、PEによる植物ゲノム編集の最適化に向けて一連の論文を発表してきています [#]。今回は、Cas4をPEに組み合わせる手法の最適化を介して、シロイヌナズナにおいて高効率なプライム編集と最小限のCsy4毒性を両立させたツールキットを Plant Physiology 誌刊行論文で紹介しています。
[詳細]
 PEは、単子葉植物のゲノム編集ツールとして確立されましたが、シロイヌナズナなどの双子葉植物では効率が1~2%台と極めて低いことが課題になっています。Chen教授が率いる研究チームは、PE6cを利用すること、また、PEにCsy4を組み合わせることで、 イネにおけるPEの編集効率を大幅に向上させることに成功していました。一方で、シロイヌナズナにおいて、Csy4がアグロバクテリウム形質転換を阻害することを発見していました。
 PEにおけるCsy4の効用は、Csy4をCsy4認識配列Csy4RSを介してPE用のガイド配列であるpegRNAに結合させることで(pegRNA-Casy4RS-Csy4)、pegRNAを3'末端を保護することで、PEの効率を高めるところにあります。フリーなpegRNAの3'末端は、pegRNA内のスペーサー配列と融合してpegRNAの環状化を引き起こす問題を帯びていたのです。
 今回研究チームは、Csy4をP2Aを介してPEに融合する構成(すなわち、Csy4がPEから分離可能な構成)と、Csy4をリンカーを介してPEに結合する構成(すなわち、Csy4はPEから分離しない構成)により、アラビドブシスにおけるCsy4の問題解決を目指しました [Figure 1-a/b/c 引用下図参照]。
Uncleavable fusion of Csy4
 PEとして、PEmax、PE6c、またはPE6dを選択し、6種類のCsy4ベースのPEを作製しました。形質転換効率については、切断可能なCsy4-P2A-PEを保持する方式は全て強い毒性効果を示し、平均形質転換効率はわずか0.037%に止まりました。対照的に、切断不可能なCsy4-PEを保持する方式は、平均0.34%とほぼ正常な形質転換効率を示し、特に、Csy4-PEmaxの形質転換効率は、Csy4-P2A-PEmaxと比較して13.5倍にと向上しました。
 この検証実験では、Csy4認識部位(Csy4RS)に挟まれたepegRNAとsgRNAを発現させるための3種類のカセット(カセットV2は、カセットV1と比較してpegRNAの発現を増加させるように設計され、カセットV1×2は、二本鎖PEの発現をサポートするように設計)の効果も評価されました。6種類のPEと2種類のRNAカセットを組み合わせた場合の編集効率を、リードベースのプライム編集活性解析で比較したところ、 切断されない Csy4-PE が切断される Csy4-P2A-PE よりも優れていること、epegRNA 発現の増強 (V2 対 V1) により編集効率が向上すること、および Csy4 ベースの PE6c システムが対応する PE6d および PEmax システムよりも優れていることが明らかになりました。
 このほかに、逆転写酵素テンプレートの設計も見直すなどの最適化を経て、PEの産物の品質も高められました。

[出典]Uncleavable fusion of Csy4 with prime editors for low Csy4 toxicity and highly efficient prime editing in Arabidopsis” Wei Sun (1), Yu Lu (1), Zhenghong Cao (1) [..] Qi-Jun Chen (1,2). Plant Physiol. 2026-05-06. https://doi.org/10.1093/plphys/kiag262
  1. State Key Laboratory of Plant Environmental Resilience, College of Biological Sciences, China Agricultural University, Beijing 100193, China
  2. Center for Crop Functional Genomics and Molecular Breeding, China Agricultural University, Beijing 100193, China
[#] Qi-Jun Chen教授らの関連先行研究
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