石油由来のプラスチックは、マイクロプラスチック問題 [crisp_bio 2025-06-22] として注目を集めているようにいまだに環境汚染や生態系さらにはヒトへの悪影響が問題になっており、また、クリーンなリサイクルも遅々として進んでいません。そこで、バイオプラスチックの研究開発が進められていますが、使用済みバイオプラスチックの処理方法も同時に研究を進めておくべきでしょう。マニトバ大学のSilvia T. Cardona教授が率いる研究チームは今回、バイオプラスチックを細胞外で効率良くかつ無害な物質にまで分解できる細菌に注目しました。
まず、生分解性バイオプラスチックとして、微生物が体内で合成・蓄積する中鎖長ポリヒドロキシアルカノエート(medium-chain-length polyhydroxyalkanoates:mcl-PHA)が知られています。研究チームはこのmcl-RHAの分解における Burkholderia 属細菌の能力を調査するため、Burkholderia 属細菌のパネルをスクリーニングし、Burkholderia gladioli、Burkholderia multivorans、および Burkholderia vietnamiensis の菌株にそのような能力があることを確認しました。
この活性の遺伝的基盤を解明するため、B. vietnamiensis LMG 16232に対してトランスポゾン変異誘発、続いて活性に基づくスクリーニング、およびトランスポゾンシーケンス(Tn-seq)を実施しました。[FIG 1引用下図参照]
ネガティブ表現型を示すトランスポゾン変異体における破壊された「細胞外mcl-PHA分解活性に関与する」遺伝要素を、先行研究で開発したCRISPR関連トランスポザーゼの一種であるRhaCAST [Yap ZL et al., Appl Environ Microbiol 2024] による標的遺伝子への挿入変異を誘導する実験により検証しました。それには、2つの推定トリアシルグリセロールリパーゼとシャペロンをコードするリパーゼ産生遺伝子クラスター、A24ファミリーペプチダーゼ、TetR/AcrRファミリー転写調節因子、およびII型分泌系タンパク質をコードする遺伝子が含まれていました。
CASTで誘導した変異体では細胞外mcl-PHA脱重合酵素活性の完全な喪失または低下が観察され、mcl-PHA分解への関与が確認されました。注目すべきは、リパーゼ産生遺伝子クラスターにコードされている2つのリパーゼのうち、mcl-PHA分解に関与していたのは1つだけであったことであり、リパーゼは基質特異性が低い可能性があるものの、リパーゼの機能アノテーションが必ずしもmcl-PHA脱重合を意味するわけではないことを示唆しました。2つのリパーゼのアミノ酸配列を用いたドッキング実験は、これらの知見を裏付けました。
こうして、B. vietnamiensisにおいて活性型mcl-PHAデポリメラーゼをコードする遺伝子が同定され、活性ベースのスクリーニング、Tn-seq、およびCASTを組み合わせることで、遺伝子と機能の関連性を迅速に確立できることが実証されました。
[出典] "Burkholderia vietnamiensis genes involved in extracellular medium-chain-length polyhydroxyalkanoate degradation" Zhong Ling Yap (1) [..] Silvia T Cardona (1,5). Appl Environ Microbiol. 2026-04-03/04-22. https://doi.org/10.1128/aem.00142-26
- Department of Microbiology, University of Manitoba, Winnipeg, Manitoba, Canada.
- Plataforma de Bioinformática Argentina, Instituto de Cálculo, Ciudad Universitaria, Facultad de Ciencias Exactas y Naturales, Universidad de Buenos Aires, Ciudad Autónoma de Buenos Aires, Argentina.
- Department of Biosystems Engineering, University of Manitoba, Winnipeg, Manitoba, Canada.
- Departamento de Química Biológica, Facultad de Ciencias Exactas y Naturales, Universidad de Buenos Aires, Ciudad Autónoma de Buenos Aires, Argentina.
- Department of Medical Microbiology and Infectious Diseases, University of Manitoba, Winnipeg, Manitoba, Canada.

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