ヒトの皮膚は、環境ストレスに対する重要なバリアとして機能する複数の細胞型からなる複雑な器官です。倫理的配慮や種間差から、in vitro ヒト三次元培養皮膚モデル(in vitro human skin equivalents:SE)が、メカニズム研究、薬理学的研究、疾患モデリング研究において、動物モデルを補完または代替するためにますます使用されています。線維芽細胞が自身の細胞外マトリックスを生成する足場フリーの全層SE(真皮層と表皮層の双方で構成されるSE)は、長期培養中も高い構造安定性を提供するため、特に魅力的です。しかし、これらのSEにおいて遺伝的に定義されたケラチノサイト集団を使用することは、その脆弱性や不完全性などの課題のため、制限されていました。
チューリッヒ大学の本研究では、電気穿孔法によって生成された野生型、ポリクローナル、またはモノクローナルな「CRISPR/Cas9 GEで改変したN/TERT-1ケラチノサイト*」を組み込んだ足場フリーの全層SEを確立しました。
[*] テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を挿入して不死化したケラチノサイト
インフラマソームの重要な構成要素である「カスパーゼリクルートメントドメイン(CARD)を帯びたアポトーシス関連スペック状タンパク質(ASC)」をノックアウトしたモノクローナルN/TERT-1ケラチノサイトは、分化した表皮を形成するものの、インフラマソーム活性化時に炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-1βおよびIL-18を分泌せず、3Dモデルにおいてインフラマソームシグナル伝達の完全な機能的消失を示しました。
さらに、ガスダーミンA(GSDMA)をノックアウトしたモノクローナル N/TERT-1ケラチノサイトを用いて作製したSEは、生理的条件下でのケラチノサイト分化中に誘導される遺伝子の解析の実現可能性を示しました。
これらの結果は、モノクローナル遺伝子改変N/TERT-1ケラチノサイトを用いた足場フリーの全層SEが、メカニズム研究および将来の疾患モデリング応用のための堅牢で再現性の高いヒト皮膚モデルであることを示しています。
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[出典] "Self-Assembled Skin Equivalents with Monoclonal CRISPR/Cas9-Modified N/TERT-1 Keratinocytes: A Cutting-Edge model for Human Skin and its Diseases" Marta Slaufova (1), Tugay Karakaya (1), Michela Di Filippo (1), Thomas Kündig (1,2), Hans-Dietmar Beer (1,2). Adv Heakthcare Mater. 2026-05-26. https://doi.org/10.1002/adhm.71283
- Department of Dermatology, University Hospital Zurich, Schlieren, Switzerland.
- Faculty of Medicine, Department of Dermatology, University of Zurich, Zurich, Switzerland.
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