パンコムギ(Triticum aestivum)は、世界のカロリーおよびタンパク質需要の約20%を供給する主要な食料作物ですが、その生産は、生物的および非生物的ストレスによる脅威にますますさらされています。増大する世界的な需要に応えるためには、ストレス耐性が向上し、かつ望ましい加工適性を備えた品種を開発することが不可欠です。ゲノム編集技術、とりわけCRISPR/Cas系技術は、形質の探索や作物改良を加速させる強力なツールになります。
今回、New Phytologist 誌刊行論文において、サウジアラビアのKAUSTの研究者達に、中国、エジプト、ならびにオーストラリアの研究者が加わった国際共同研究チームが、745個のクローン化コムギ遺伝子を網羅した「コムギ遺伝子クローン・アトラス」を作成し、編集や育種の対象となる候補遺伝子を特定・選抜するための基盤を紹介しています。
研究チームは、遺伝子ノックアウト実験の結果に基づき、コムギの性能向上に寄与する可能性が示されたクローン化遺伝子に焦点を当てるとともに、CRISPR/Casシステムを用いて改良品種を作出する際に、このアトラスを活用する具体的な事例や戦略について解説しています。最後に、遺伝子編集系統の商業化に関する規制の現状を概説し、それらを育種プログラムにどのように組み込むことができるかについて説明しています。
[注] データは、表形式の2つのファイルで、論文から、提供されています。
[出典] "Potential unlocked: an atlas of cloned wheat genes for genome engineering and breeding" Abdulrahman Alhabsi. (1,2,6) [..] Brande B. H. Wulff (1,2,7), Yagiz Alagoz (1,2,6,7) [+5]. New Phytol. 2026-05-29. https://doi.org/10.1111/nph.71305
- Plant Science Program, Biological and Environmental Science and Engineering Division (BESE), King Abdullah University of Science and Technology (KAUST), Thuwal, 23955-6900, Saudi Arabia.
- Center of Excellence for Sustainable Food Security, KAUST, Thuwal, 23955-6900, Saudi Arabia.
- School of Horticulture and Landscape Architecture, Yangzhou University, Yangzhou, 225009, Jiangsu, China.
- Department of Agronomy, Faculty of Agriculture, Assuit University, Assiut, Egypt.
- La Trobe Institute for Sustainable Agriculture and Food, Department of Ecological, Plant and Animal Sciences, La Trobe University, Bundoora, 3083, Australia.
- Contributed equally.
- Co-corresponding authors
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