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 Schlafenヌクレアーゼは哺乳類においては、哺乳類のRNAを切断することでウイルス感染を抑制しますが、原核生物の免疫系におけるSchlafenヌクレアーゼの機能やメカニズムは不明でした。
 マサチューセッツ総合病院/ハーバード大学医学大学院のJonathan Strecker助教が率いる研究チームは今回、タイプIII CRISPR-Cas免疫システムの一部で機能することをNature Communications 誌刊行論文で紹介しています。
 RNAを標的とするタイプIII CRISPRシステムは、侵入したファージが増殖する際にDNAから転写されてくるmRNAを認識し、Cas10のPalmドメインが活性化され、ATPから環状オリゴアデニル酸(cOA)を生成します。このcOAがロスマンフォールドを帯びているCARFドメインを有するCsm6やCsx1といった補助タンパク質に結合し、そのRNase活性が発揮され周辺のRNAが分解されるに至ります。
 研究チームは今回、Csx15(ロスマンフォールドを帯びているヌクレオチド結合センサーファミリーに属する未解明のタンパク質)に Schlafenドメインが融合したCRISPR関連Schlafen(Cash)タンパク質が存在し、これが、前述のファージmRNAに反応したタイプIII CRISPRシステムにおいてtRNA産生される環状テトラアデニレート(cA₄)によって活性化され、主にTループ部位で [右図tRNAのモデル図参照] tRNAを切断し、ひいては細胞毒性を引き起こすことを、明らかにしました。
 こうして、Schlafenヌクレアーゼは、細菌からヒトを含む哺乳類まで共通して、tRNAを標的として侵入ウイルスに対抗する役割をになっていることが明らかになり、ヒトの抗ウイルス防御機能は、細菌とファージの間の進化的軍拡競争に由来したとも考えらます。
 さて、研究チームは、Chloroflexi bacterium 細菌由来Cashのクライオ電子顕微鏡構造解析により、不活性な12量体構造、cA₄結合に伴うフィラメント形成による触媒部位の整列、そしてtRNA結合複合体における基質認識と切断の分子基盤も明らかにしました。
 さらに、多様な抗ウイルス防御システムに関連し、独自のセンサードメインを特徴とする原核生物Schlafenタンパク質の多数のファミリーも同定しました。
 [構造情報]
  • PDB 9C69 : The CRISPR associated CARF-adenosine deaminase, Cad1-CARF in the cA4 bound form (2.4 Å)
  • PDB 9C6A : The CRISPR associated adenosine deaminase Cad1-CARF in the apo form (3.6 Å)
  • EMD-50055 / PDB 9EYJ : Cryo-EM structure of SAVED-Lon protease CCaCalpL filament bound to cA4 (2.97 Å)
  • EMD-73094 / PDb 9YLV : Cryo-EM structure of apo CbCash dodecamer (2.86 Å) 
  • EMD-73096 / PDB 9YLX : Cryo-EM structure of the CbCash filament bound to cA4 (2.45 Å)
  • EMD-73093 / PDB 9YLU: CyyoEM structure of CbCash filament with cA4 and tRNA Ile CAU(2.65 Å)
[出典] "Prokaryotic Schlafen proteins cleave tRNAs during type III CRISPR immunity" Pedro Weickert (1,2,3,4), Yang Liu (1,2,3,4) & Jonathan Strecker (1,2,3,5)
  1. Department of Molecular Biology, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA
  2. Department of Genetics, Harvard Medical School, Boston, MA, USA
  3. Center for Computational and Integrative Biology, Massachusetts General Hospital, Boston, MA, USA
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