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2026年8月19日、モデルナ社とメルク社(北米以外ではMSD)が、メラノーマに対する画期的な併用療法の可能性を公表しました。 [#1]

モデルナ社のCEOステファン・バンセルと同社の最高開発責任者(CDO)であるデビッド・バーマンとの対談では、
「モデルナを設立した当初、私たちはmRNAが医療のあり方を根本的に変えうると信じていました。... これは(今回の第3相試験の好成績は)単なる一つの開発プログラムにおける重要なマイルストーンにとどまりません。私たちは、全く新しい種類の医薬品、そして癌治療に対する全く新しい考え方の可能性を実証し始めています。それは、個々の患者の癌に刻まれた情報を利用して、患者自身の免疫系が癌と闘えるよう訓練する特異的な治療法を設計するというものです」
と語られています。[#2]

第3相試験の概要
  • NCT05933577(INTerpath-001試験):A Clinical Study of Intismeran Autogene (V940) (インティスメラン)Plus Pembrolizumab (キイトルーダ) in People With High-Risk Melanoma (V940-001)(スポンサー )
  • 治験のスポンサーと責任医師:Merck Sharp & Dohme LLC;Melanoma Institute Australia のメディカル・ディレクター、およびシドニー大学メラノーマ内科腫瘍学・トランスレーショナルリサーチ講座の教授を務めるGeorgina Long
  • 対 象:全身療法による治療歴のない、完全切除されたステージIIB~IVの悪性黒色腫(メラノーマ)患者1,137例
  • 成 績:無再発生存期間(RFS)および重要な副次評価項目である遠隔転移非発生生存期間(DMFS)を達成
  • 意 義:切除された悪性黒色腫の術後補助療法において、標準的な免疫療法であるキイトルーダ単独投与と比較して臨床的に意義のある改善を示した
  • 予 定:得られたデータは今後開催される国際医学会議で発表されるとともに、規制当局に共有される予定
両社のINTerpathプログラム
  • インティスメラン(intismeran)をキイトルーダ(KEYTRUDA)やその他の抗がん剤と併用、あるいは単独投与する場合の安全性と有効性を評価する、包括的な臨床開発プログラム
  • メラノーマに加えて、非小細胞肺がん(NSCLC)、膀胱がん、腎細胞がんなど、複数の腫瘍型および病期を対象とした計9件の第2相および第3相臨床試験で構成
  • その他の臨床試験には、悪性黒色腫の術後補助療法を対象とした第2b相試験(KEYNOTE-942/mRNA-4157-P201)や、膵管腺がんの術後補助療法、および胃がんやNSCLCの周術期治療を検討する第1相試験が含まれている。
インティスメラン(Intismeran autogene)は ... 
モデルナ社が、新型コロナワクチンの開発に先立つ2017年に開発していたmRNA-4157/V940 [wikipeidaより] に由来するメッセンジャーRNA(mRNA)を用いた個別化ネオアンチゲン [*] 療法(INT)の治験薬です。ネオアンチゲンはがん細胞の遺伝子変異によって新たに生じた正常細胞には見られない「がん特有の抗原」を意味します。詳細は、第IIb試験の成績が報告されているJournal of Clinical Oncology 誌刊行論文 [#3]
2026-08-20 10.30.29グローバル物質登録システム(Global Substance Registration System)にて確認できます。 [右図はGSRS Webページ冒頭のスクリーンショット]

インティスメランのmRNAに組み込むネオアンチゲンは、患者由来のがん組織と正常組織の遺伝子を次世代シーケンサーで解析し、AIと自動アルゴリズムを介して、最大34種類が選定されます。

続いて、選択されたネオアンチゲンの配列を組み込んだその患者専用の個別化mRNAワクチンが合成され、脂質ナノ粒子製剤として投与されます。投与後、mRNAがコードするネオアンチゲン配列が体内で翻訳され、免疫系に提示され、免疫応答が始まります。

[#] 出 典
  1. "Merck and Moderna Announce Phase 3 INTerpath-001 Trial of  Plus KEYTRUDA® Met Endpoints of Recurrence-Free Survival (RFS) and Distant Metastasis-Free Survival (DMFS) in Patients With Completely Resected Stage IIB-IV MelanomaMERCK. 2026-08-19 6:45 am EDT. https://www.merck.com/news/merck-and-moderna-announce-phase-3-interpath-001-trial-of-intismeran-autogene-plus-keytruda-met-endpoints-of-recurrence-free-survival-rfs-and-distant-metastasis-free-survival-dmfs-in-patient/
  2. "IR Insights: Recapping Positive Phase 3 Topline Results for Intismeran Autogene Plus Pembrolizumab in Adjuvant Melanoma" Stéphane Bancel. Moderna. 2026-08-19. https://www.modernatx.com/ir-insights-phase-3-intesmeran
  3. "Intismeran Autogene Plus Pembrolizumab Versus Pembrolizumab Alone in High-Risk Resected Melanoma: 5-Year Update of the Randomized Phase IIb KEYNOTE-942 Study" Adnan Khattak, Matteo S. Carlino, Tarek Meniawy et al., on behalf of the KEYNOTE-942 Investigators. J Clin Oncil. 2026-06-01. https://doi.org/10.1200/jco-26-00835;第3相試験に先立つ第IIb相 KEYNOTE-942試験NCT03897881)からの報告
crisp_bioメモ
Intismeran autogeneの由来
  • Int-は、Individualized Neoantigen Therapyに由来
  • -is-meranは、世界保健機関(WHO)の国際一般名(INN)[**] における、接合辞と、mRNA(メッセンジャーRNA)医薬品・ワクチンの有効成分に共通して付与されるサフィックス [**] WHODrug Global 参照
  • autogeneは、患者自身の (auto-)遺伝子情報に由来する意味
ネオアンチゲン療法について
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