トレント大学CIBIO(細胞・計算・統合生物学部門)のAnna Cereseto教授が率いる研究チームは、2024年に、酵母をプラットフォームとする指向性進化法EPICA(Eukaryotic Platform to Improve Cas Activity)を開発し、コンパクトなCjCas9 (984 aa) から野生型の最大12倍の活性を示し、標的遺伝子座によってはSpCas9を超える活性を示すバリアントを導出し、UltraCjCas9としてGenome Biology 誌から紹介していました。 [#1]。
研究チームは今回、サイズが757 aaとCjCas9よりもさらにコンパクトで、PAM配列による制限も5'-TTN-3'と緩やかでありながら、野生型の活性はCjCas9同様に極めて低いファージ由来のCasΦ2(Cas12j2)[#2] の活性増強版バリアントの創出を目指しました。
研究チームはまず、EPICAを。活性な微弱なCasΦ2の指向性進化に向けて最適化したEPICA.2を構築しました。
EPICA.2では、反応サイクルの中に、変異導入を行わない酵母での追加選抜サイクルが組み込まれており、これにより機能的な変異体の濃縮と増幅を実現しました [Fig. 1 引用下図 c 参照]。

さらに、ヒト細胞を用いたスクリーニングでは、バックグラウンドシグナルを最小限に抑えたCas誘導型フレームシフト・レポーターシステムを採用することで、性能の低い変異体を除外しつつ、活性が著しく向上した変異体を選抜することができました。

さらに、ヒト細胞を用いたスクリーニングでは、バックグラウンドシグナルを最小限に抑えたCas誘導型フレームシフト・レポーターシステムを採用することで、性能の低い変異体を除外しつつ、活性が著しく向上した変異体を選抜することができました。
最後に、指向性進化実験における大きな課題の一つは、進化させた各変異体の特徴である変異の正確な組み合わせを再構築することにあります。そこで、全長変異体を特定するために、エラー訂正機能を備えたロングリードシーケンシング手法を導入しました。
研究チームはEPICA.2により高頻度で得られたバリアント群の中から「evoCasΦ2」を特定しました。evoCasΦ2は、合理的な設計手法では予測不可能な相乗効果をもたらす6つの活性増強変異(E9K, K29R, G138R, E168K, T355A および I585V)を有しています。[FIg. 2引用下図左下参照:bioRxiv 投稿では、それぞれの変異の意味について考察が加えられています]


全体として、evoCasΦ2はヒト細胞において野生型と比較して最大70倍の活性を示し、合理的なアプローチで作成されたバリアント(nCasΦとvCasΦ)[#4] のそれぞれ41倍と159倍の活性を示しました。[Fig. 3引用下図参照]
この結果は、本来の活性が極めて低いゲノム編集ツールを進化させるための強力な戦略として、EPICA.2が大きな可能性を秘めていることを示しています。
[#] 関連risp_bio記事と論文
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- "Genome editing in plants using the compact editor CasΦ" Zheng Li, Zhenhui Zhong, Zhongshou Wu [..] Steven E. Jacobsen [+4] Proc Natl Acad Sci U S A. 2023-01-24.
- 2023-02-18 小型で特異性が高いCRISPR-Cas12jヌクレアーゼによってアレル特異的ゲノム編集を実現. ;CasΦ(Cas12j)のファミリー6種類の機能的スクリーニングの結果、Cas12j-8を超コンパクトなサイズの理想的なゲノムエディター用ヌクレアーゼとして決定
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出 典
"Enhancing hypercompact CasΦ2 activity through EPICA.2, an optimized eukaryotic directed evolution platform" Giulia Vittoria Ruta (1,5) [..] Anna Cereseto (1,5). [+9] bioRxiv. 2026-08-13. https://doi.org/10.64898/2026.08.12.744198
- Laboratory for Advanced Genome Editing Technologies, Department CIBIO, University of Trento (Italy)
- Laboratory of Computational Metagenomics, Department CIBIO, University of Trento (Italy)
- NGS Core facility, Department CIBIO, University of Trento (Italy)
- Alia Therapeutics s.r.l, Trento (Italy)
- Corresponding authors

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