[注] Anthropic社による発見の概要については、当ブログでは昨日(26日)に投稿したこちらの記事をご参照ください:【AI x バイオ】Anthropicの生命科学研究グループが、Claude AIエージェントを介してCRISPRに似た「反復配列を伴う新規酵素」を発見しARTと命名 ~ システムとしての機能解明はこれから
Anthropic社の生命科学研究チームが、同社のClaude AIエージェントとウエット・ラボでの実験を融合し、膨大なDNAデータからCRISPR-Casシステムを思わせる「逆転写酵素と『奇妙な反復配列』の組み合わせ」を発見したことを受けて、Nature 誌もニュース記事を発表しました:"Anthropic’s AI biolab finds ‘CRISPR-like’ DNA in viruses. What’s next?" Heidi Ledford. Nature 2026-09-25. https://doi.org/10.1038/d41586-026-03039-6
ここでは、その記事で引用されている専門家のコメントを紹介します:
- CRISPR/Casシステムの進化・分類体系を追究してきたNCBI/NLMの進化生物学者Eugene Koonin博士:DNAの反復配列は、AIが登場する前から数多く発見されてきました。AIによる重要な貢献は、配列そのものを特定したことではなく、AIモデルによって可能になった解析の規模にあります。現在急速に増大しているペタバイト級のデータベースは、LLM(大規模言語モデル)に基づかない手法では、効率的に検索することが到底できないのです。
- ハーバード大学医学部の計算機科学者Marinka Zitnik博士:大量のデータを必要とするAIにとって、ウェットラボから得られる結果は貴重です。こうしたデータは、AIから得られた発見を評価するのに有用なだけでなく、新たなLLMをテストするにも有用です。そうしたデータは、客観的な正解(グラウンド・トゥルース)を示すAIモデルからは独立した情報源になるからです。
- スタンフォード大学の分子遺伝学者であるLe Cong博士:Anthropic社のウエット・ラボがどのようなプロジェクトに取り組むのか、また、同社のAIによって、ウエット・ラボの作業を大幅に加速させられるのかどうか、同社が学術研究者と協力するのか・それとも競合するのか、関心があります。
- Anthropic社のプレプリント公表の翌日(9月24日)にbioRxivから公開された「DNAやタンパク質の配列データで学習させた専門的な言語モデル(genome Language Model:gLM)を使用して(Anthropic社の『奇妙な反復配列』とは異なる)『興味深い反復配列』を発見したこと」を紹介したプレプリントの筆頭著者であるArc研究所・スタンフォード大学の生物工学者David B. Li博士:Anthropic社の汎用的なAIと特定の分野に特化したAIによるアプローチを組み合わせることで、ペタバイトを超えて増え続ける配列データのマイニングが加速するでしょう」
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