【出典】[PREVIEW]“Untangling the Web
of Lymphoma Somatic Mutations” Teater M, Melnick A. Cell. 2017 Oct 5;171(2):270-272. [論文]“Genetic and Functional Drivers of Diffuse Large B Cell Lymphoma” Reddy A ~ Dave SS. Cell. 2017 Oct 5;171(2):481-494.e15.
- エクソーム解析、トランスクリプトーム解析、ゲノムワイド機能解析(CRISPRスクリーン)及び臨床情報を融合して、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(diffuse large B cell lymphomas, DLBCL)の体細胞変異と疾患の複雑な関係を解きほぐし、既存の臨床リスク予測モデルに優る遺伝的背景に基づく臨床リスク予測モデルを示した。
- 患者1,001人のエクソーム解析から、新奇27種類(例:SPEN、KLHL14、MGA)を含む150種類のドライバー遺伝子を同定した。
- DLBCL細胞株のゲノムワイドCRISPRスクリーニングから1,900種類のDLBC必須遺伝子を同定した。
CRISPRスクリーンにおいてsgRNAが欠損あるいはエンリッチされた遺伝子は、エクソーム解析で同定された変異遺伝子群と重なった。また、CRISPRスクリーンから裏付けされた変異遺伝子の多くが既存薬の標的遺伝子(例:MCL1、BTK、XPO1)であった。一方で、そのノックアウトがDLBCL細胞の生存に与えない治療標的遺伝子(例:NOTCH2、PIK3CD、JAK2)も同定した。 - トランスクリプトーム解析(RNA-seq)
DLBCLをgerminal center B cell-like (GCB)サブタイプとactivated B cell-like (ABC)サブタイプへと精密に分類し、また、DLBCLに関連する既知のパスウエイに加えて新奇パスウエイを同定した。例えば、KLHL14とMYCの2種類のタンパク質が相関することが示唆された。 - 患者の臨床データとの相関解析から、ABCサブタイプとMYC変異と予後不良との相関に加えて、新たな相関遺伝子も同定した。中でも、臨床リスクを高めるABC-DLBCLsにおけるKLHL14変異を始めとする組み合わせを見出した。
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