crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[注] 本稿はCRISP_SCIENCEのCRISPR関連2017年11月26日ツイートに準拠しています。

[レビュー]自己免疫応答を抑制しつつ安定した抗-ウイルス応答をバクテリアにもたらすCas9ヌクレアーゼの調節機構
化学変異原ENUおよびCRISPRで生成したゼブラフィッシュ変異体におけるmRNAから、ナンセンス変異依存mRNA分解機構を回避した予想外の転写物が産生された
  • [出典]"mRNA processing in mutant zebrafish lines generated by chemical and CRISPR-mediated mutagenesis produces unexpected transcripts that escape nonsense-mediated decay" Anderson JL, Mulligan TS, Shen MC, Wang H, Scahill CM, Tan FJ, Du SJ, Busch-Nentwich EM, Farber SA. PLoS Genet. 2017 Nov 21;13(11):e1007105.
  • ゲノム編集技術の普及によって逆遺伝学が広がっているが、遺伝子への変異導入が想定した表現型変異として現れない事例が蓄積されてきている。ゼブラフィッシュでは、遺伝子回路の相補性に加えて、フレームシフトに至らないエクソンスキッピングやスプライス部位誤認(cryptic splice site)など、逆遺伝学で考慮する必要があるmRNAプロセッシング改変が起こることを例示
unexpected transcripts
エマニュエル・シャルパンティエ5月講演記録「CRISPR-Cas9によるゲノム編集とゲノム工学」
[出典]"Gene Editing and Genome Engineering with CRISPR-Cas9" Emmanuelle Charpentier. 
-transcribed from a presentation delivered by Professor Charpentier at the Molecular Frontiers Symposium on Tailored Biology at the Royal Swedish Academy of Sciences, May 2017.- Mol Front J. 21 Nov 2017.

ゼノ核酸(XNA)でプログラム可能なエンドヌクレアーゼ開発への第一歩
  • [出典]"Mapping the sugar dependency for rational generation of a DNA-RNA hybrid-guided Cas9 endonuclease" Rueda FO, Bista M, Newton MD, Goeppert AU, Cuomo ME, Gordon E, Kröner F, Read JA, Wrigley JD, Rueda D, Taylor BJM. Nat Commun. 2017 Nov 20;8(1):1610.
  • RNAでガイドされるCRISPR-Cas9エンドヌクレアーゼの特異性向上、標的拡大、転写活性化・抑制などを目指した改変が工夫されてきているが、塩基の改変には手がつけられていなかった。著者らは今回、構造情報に基づいてDNA-RNAハイブリッド(図1-a 参照)CRISPRとtracr分子を開発した。
XNA
  • Cas9のリボースに対する要求性を慎重にマッピングし、in vitro/in vivoでオフターゲット活性を低減しヌクレアーゼ活性を誘導可能なRNA残基を最小限にとどめたハイブリッド・バージョンを設計し、条件によるがヌクレアーゼの活性が向上することを確認した。構造とコンフォメーション変化の理解を深めることで、RNAフリーのCas9:tracrXNA:crXNAの開発も視野に入ってきた。
Pol IIIに基づいたsmall RNA発現カッセットの設計が、CRISPRゲノム編集活性に影響する
  • [出典]"Delineation of the exact transcription termination signal for type 3 Polymerase III" Gao Z, Herrera-Carrillo E, Berkhout B.Mol Ther Nucleic Acids. 21 November 2017.
  • U6を代表とするタイプ3 Pol IIIプロモーターが、RNAiのshRNAやCRISPRのgRNAといったsmall RNAの発現に利用されている。著者らは今回、ヒトの代表的な3種類のプロモーター(U6; 7SK; H1)について、ヒト細胞における転写終結の機序を詳らかにした。
  • 転写終結の効率とサイトは、塩基Tが連なったT-stretchシグナルに依存し、完全な転写終結には6残基のT-stretchが必要であった。
  • 転写が終結するサイトは可変であり、したがって、転写されたRNAの3’末端にあらわれるU-tailの長さも可変になる。
  • CRISPR-AsCpf1において、この可変U-tailがgRNAの活性には影響を与えないが、crRNAの活性に負の影響を与えることを見出したが、D型肝炎ウイルス(HDV)リボザイムを挿入してU-tailsを除去することで、crRNAの活性を向上させることに成功した。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット