(構造生命科学ニュースウオッチ2016/03/19)
  • [出典] 本間龍介, 〜加藤幸成. "Critical Epitope of Anti-Rabbit Podoplanin Monoclonal Antibodies for Immunohistochemical Analysis." Monoclon. Antib. Immunodiagn. Immunother. 2016 Apr;35(2):65-72. Published online 2016 Mar 15.
  • ポドプラニン(PDPN)は、 I型膜貫通シアロ糖タンパク質であり、全身のリンパ管内皮細胞、腎臓のポトサイト(有足細胞)、I型肺胞上皮細胞などの正常細胞で発現している.
  • 研究チームは最近、ヒト、マウスおよびラットの抗PDPNモノクローナル抗体(mAbs)に続いて、ウサギのPDPN組換えタンパク質でマウスを免疫することによって、抗ウサギPDPNmAb、PMab-32、を樹立していた.
  • 今回、抗ウサギPDPNmAbとして新たに、PMab-33とPMab-22を樹立し、正常組織に対する反応性を免疫組織学的に比較した.
  • PMab-32は、ポドサイト、I型肺胞上皮細胞およびリンパ管内皮細胞に反応したが、PMab-33はポドサイトとI型肺胞上皮細胞を認識した一方で、リンパ管内皮細胞を認識しなかった.PMab-22は、免疫組織学的反応を示さなかった.
  • ウエスタンブロットとフローサイトメトリーによって各抗体のエピトープを同定した:PMab-32とPMab-33のエピトープはSer61-Ala68;PMab-22のエピトープはLeu44-Glu48
  • PMab-22のエピトープが血小板凝集刺激(PLatelet AGgregation-stimulating: PLAG)ドメインに対応していることから、PLAGドメインよりもPDPNのSer61-Ala68が、免疫組織学解析のエピトープとして適切であり、また、ウサギのPDPNの機能解析にはPMab-32が適している.