- [出典]"NetSig: network-based discovery from cancer genomes" Horn H, ~ Boehm JS, Getz G, Lage K. Nat Methods. 2017 Dec 4. bioRxiv Posted October 30, 2017.
- 分子間ネットワーク情報と癌ゲノムデータの統合解析によって、遺伝子データの統計検定からの癌遺伝子の同定を補完することが可能であるが、その大規模な検証が困難であり、また得られる推定結果の重みも不明である。ネットワーク解析については、関心が集まり盛んに研究されている遺伝子が癌ドライバーとして過大に評価される'knowledge contamination'の問題も潜在している。
- マサチューセッツ総合病院とブロード研究所の研究グループは今回、癌遺伝子変異データ(21種類の癌由来の4,742件の腫瘍エクソームデータ)とタンパク質間相互作用(InWeb_InBioMap)の情報を統合した信頼性の高い統計解析システムNetSigを開発した。
- NetSigによって、テストした癌の60%において、既知のドライバー遺伝子を精密に分類し、62種類の新たなドライバー候補遺伝子(以下、NetSig推定ドライバー)を推定した。
- NetSig推定ドライバー(37 cDNAs/23遺伝子)のin vivo腫瘍形成能をマウスで定量的に判定したところ、既知の癌遺伝子(79 cDNAs/25遺伝子)と同等の腫瘍形成能を示し、ランダムに選択したコントロール遺伝子(80 cDNAs/79遺伝子)の腫瘍形成能の10倍以上であった。
- ネットワーク解析とマウスin vivo実験から同定した肺腺癌のNetSig推定ドライバー(AKT2, FER, FRK, MOS, PIK3CG, PTK6, RASGRP1, RASGRP3, TFDP2)9種類を、RAS/RAF/RTKパスウエイにおいて既知の癌ドライバー遺伝子が見られない癌ドライバー遺伝子陰性の242人と癌ドライバー遺伝子陽性の418人の肺腺癌患者コホートで検証し、癌ドライバー遺伝子陰性患者においてAKT2とTFDP2の2種類が有意に増幅されていることを新奇に見出した。
- NetSigは、ブロード研究所のFireCloudに組込まれている。
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