(構造生命科学ニュースウオッチ2016/03/28から転載)
- Corresponding author: Molly S. Shoichet (University of Toronto)
- タンパク質製剤の市場は2013年の1,519億ドルから2019年には2,227億ドルに成長すると見られている.一方で、タンパク質製剤には、その適時な送達方法に課題を残している.
- 低分子化合物製剤に持効性を持たせる手法は、有機溶媒などを使用する加工過程のために、タンパク質製剤には応用できない.近年、リガンドへの親和性を利用してタンパク質製剤の持続性と放出時間を調節する手法"affinity-controlled release system”(以下、ACRS)の研究開発が進んで来た.
- [ACRSの基本]
タンパク質製剤、タンパク質製剤と非共有結合注1するリガンド注2およびリガンドと共有結合するポリマー(例 ハイドロゲル)の構成物を利用する.タンパク質製剤は、タンパク質の拡散性や濃度勾配だけでなく、リガンドの濃度、相互作用の強さ(親和性)および結合キネティクスによってその放出が制御される.この制御を可能にするリガンドを、in vitro での選別と定向進化法によって任意のタンパク質について開発することが可能になりつつある.
注1 イオン結合、疎水性相互作用/ファンデアワールス力または水素結合
注2 ペプチド、タンパク質、またはオリゴヌクレオチド - [今後の展開:リガンドの設計と作出など]
- スクリーニング対象とするリガンドの絞り込みを可能にするリガンドと標的タンパク質のドッキングシミュレーション
- リガンドの親和性の調節・選択を可能にするスクリーニング条件の設定
- 多種類のタンパク質の同時送達・独立放出を可能にするリガンド選択を可能にする競合的スクリーニング.
- 親和性のオンデマンド調節:コンフォメーションの切替を実現するアプタマーの開発;アロステリック調節部位のコンピュータ設計
- 結合定数の精密かつハイスループットな測定法
- 個々のタンパク質製剤に対して親和性の幅をもったリガンドのライブラリー構築
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