1.CRISPR RNA (crRNA)結合によるCpf1のコンフォメーション変化は、微生物種によって大きく異なる
  • [出典] "Structural insights into the apo-structure of Cpf1 protein from Francisella novicida" Min K, ~ Kim JS, Lee HH. Biochem Biophys Res Commun. 2018 Mar 12.
  • ソウル国立大学など韓国の研究チームは今回、SAXS (X線小角散乱)とNSEM (ネガティブ染色電顕法)により、初めてCpf1のアポ構造を明らかにし、そのcrRNA結合による構造変化を論じた。
  • FnCpf1のアポ状態とcrRNA結合状態の溶液構造をSAXSで解析し、アポ状態はNSEMでも観察し、FnCpf1のアポ構造が'closed conformation'をとり、PAMへのインデュースフィットに対応する局所的な変化を除いて、crRNAによる全体のコンフォメーション変化は小さいことを明らかにした。
  • 一方で、Moraxella bovoculi 237のCpf1 (MbCpf1)のアポ構造は'open conformation'をとっていたことから、'closed conformation'へと大きなコンフォメーション変化が起こるとした。
2.CRISPR-Tag:ヒト細胞における非反復配列遺伝子の効率的ラベリング
  • [出典] "CRISPR-Tag: an Efficient DNA Tagging System in Living Cells" Chen B, Zou W, Huang B. bioRxiv. Posted March 12, 2018.
  • 浙江大学医学院とUCSFの研究チームは今回、250 bpまで小型化可能なCRISPR-Tag (下図 Figure 1参照)を開発し、ヒト細胞において、単一細胞および単一遺伝子座の分解能で非反復的DNA配列の可視化を実現した。
CRISPR-Tag
  • CRISPR-Tagは、線虫ゲノムから選別したCRISPRの標的として適切な配列6種類と合成配列1種類から選択した配列の繰り返しで構成し、繰り返し1ユニットあたり4種類のsgRNAを伴うdCas9-GFP14xでラベルする (GFP14x:dCas9 + GFP11タグ14コピー)。
3.[レビュー]CRISPR/Cas9ゲノム編集を介した部位特異的変異誘発:環境ストレス下での作物収量の向上の手段として

4.CRISPR/Cas9によるシロイヌナズナの遺伝子クラスターと非翻訳領域の効率的編集を実現
  • [出典] "Highly efficient heritable targeted deletions of gene clusters and non-coding regulatory regions in Arabidopsis using CRISPR/Cas9" Durr J, Papareddy R, Nakajima K, Gutierrez-Marcos J. Sci Rep. 2018 Mar 13;8(1):4443.
  • CRISPR/Cas9はゲノム編集の画期的なシステムであるが、植物のゲノム編集効率は低いままであった。Warwick大学と奈良先端大の英日研究チームは今回、バイナリー・ベクター(pUbiCAS9-RedとpEciCAS9-Red)を新たに設計し (原論文 Figure 1-A参照)、効率が高いsgRNAsを選別し、目的とする変異を帯びた体細胞から直接個体を再生することで、CRISPR/Cas9によるシロイヌナズナのゲノム編集効率を大きく改善した。
5.タイプ II CRISPRシステムによるPseudomonas putida KT2440のゲノム編集と転写抑制
  • [出典] "Genome editing and transcriptional repression in Pseudomonas putida KT2440 via the type II CRISPR system" Sun J, ~ Wu J, Yang S. Microb Cell Fact. 2018 Mar 13;17(1):41.
  • P. putidaは、バイオレメディエーションをはじめとするバイオテクノロジーへの応用が広がっているが、最適なゲノム編集技術が存在しなかった。浙江大学など中国の研究チームは今回、2種類のプラスミド (CasエフェクターとsgRNA)・システムを利用してCRISPR-Cas9による遺伝子の削除/挿入/置換およびdCas9による転写抑制を実現し、また、CRISPR-Cpf1による編集も実現
6.[Correction]MELKはbasal-like乳癌細胞における有糸分裂進行に必須な発癌キナーゼである
  • [出典] "Correction: MELK is an oncogenic kinase essential for mitotic progression in basal-like breast cancer cells" Wang Y, ~ Zhao J. eLife. 2018 Mar 12;7.
  • RNAiに基づいた先行論文 (eLife 2014) 以後に、その結論と整合しない報告が続いたことに対して、今回、CRISPRノックアウトを利用した新たな実験結果にも基づいて、MELKの必須性が培養条件に依存することを見出し、RNAiのオフターゲット作用がMELKの必須性を過大に見せていたとした。
7.[Preview]Targeting mRNA Decapping in AML.
  • [出典] Yoshimi A, Abdel-Wahab O. Cancer Cell. 2018 Mar 12;33(3):339-341
  • 九州大学前田高宏を責任著者とする「CRISPR-Cas9ゲノムワイドスクリーンにより、mRNA decapping enzyme scavenger (DCPS) 遺伝子がAML細胞の必須遺伝子であることを明らかにした論文」をハイライト:Yamauchi T, Masuda T, Canver MC, Seiler M, Semba Y, Shboul M, Al-Raqad M, Maeda M, Schoonenberg VAC, Cole MA, Macias-Trevino C, Ishikawa Y, Yao Q, Nakano M, Arai F, Orkin SH, Reversade B, Buonamici S, Pinello L, Akashi K, Bauer DE, Maeda T. "Genome-wide CRISPR-Cas9 Screen Identifies Leukemia-Specific Dependence on a Pre-mRNA Metabolic Pathway Regulated by DCPS" Cancer Cell. 2018 Mar 12;33(3):386-400.e5. Published online 2018 Feb 22.