出典
背景
  • 低品質な抗体の利用が生物医学研究に再現性の危機 (reproducibility crisis)を引き起こし、8億ドル相当の経済的損失をもたらしているとされている (Nature 2015)。この問題の原因は、抗体の品質評価基準が標準化されていないこと、市販されている抗体の品質が不透明であること、バッチごと品質が変動するポリクローナル抗体の利用、および、交差反応性の評価が技術的に困難であることにある。
  • Protein Capture Reagents Program (PCRP) 
  • こうした抗体の品質向上の試みを拡充するために、NIH Common FundはPCRPを開始した (Nature Methods 2016) 。PCRPは今回、特異性と親和性が高いマウスモノクローナル抗体 (mAbs)を作製かつ評価可能とするパイプラインを整備し、737種類のヒト転写因子に対するmAbs 1,406種類のライブラリーを構築した。
パイプライン
  • 大腸菌由来の抗原ドメイン646種類と酵母由来抗原全長668種類でマウスを免疫し、得られた230,225種類のハイブリドーマから、抗原ミニチップとCDI Laboratories社のヒトタンパク質アレイHuProtとで5,882種類へと絞り込み、続いて、免疫沈降、イムノブロッティング、ChIP-seqおよび免疫組織染色法による評価を経て、737種類のmAbsライプラリー構築に至った。また、メタ解析からmAbsの品質を決定づける条件も絞り込んだ。
データポータルURL
関連ブログ記事
  • crispr_bio 2017/04/29「抗体は、最も広く使われている試薬の一つであるが、最も頭痛の種になる試薬の一つでもある」
  • crispr_bio 2017/04/29「Mathias Uhlénら、抗体を使った実験データの信頼性を高めるガイドラインを提案」