• [出典] “Paired D10A Cas9 nickases are sometimes more efficient than individual nucleases for gene disruption” Gopalappa  R, Suresh B, Ramakrishna S,  Kim  H. Nucleic Acids Res. 2018 Mar 23. 
  • [背景] CRISPR/Cas9ゲノム編集にはオフターゲット作用が伴うが、一本鎖DNAにニックを生成可能としたCas9改変ニッカーゼ (以下、Cas9n)をペアで利用することで(下図 Supplementary Figure 2-C参照)、二本鎖DNA切断のオフターゲットを抑制可能なことが知られている。一方で、Cas9nペアの編集効率については、標的部位を挟むCas9nペアの双方が共に機能する必要があることから、直感的には、単独のCas9ヌクレアーゼと同程度かやや低いとみられる。
Paired D10A Cas9 nickases SF2
  • [成果] 延世大学校と漢陽大学校の研究チームは今回、送達プラスミッド量の調節など注意深い実験により、T7E1アッセイとディープシーケンシングで、Cas9bnペアとCas9ヌクレアーゼのオンターゲット編集効率を比較した。その結果、ヒト細胞株 (HEK293T; K562; HeLat)とマウス細胞株 (NIH3T3; Nuero-2a)において、D10A Cas9nペアの編集効率がCas9ヌクレアーゼ単独を下回ることはまれであり、しばしばCas9ヌクレアーゼに匹敵し、時には、凌ぐことを見出した。さらに、HNHドメインを保持しているD10A Cas9nが、RuvCドメインを保持しているH840A Casnよりも活性が高いことも見出した(下図 Figure 5-B参照)。
  • [参考] ニッカーゼ関連crisp_bio関連記事検索:"ニッカーゼ site:http://crisp-bio.blog.jp/"をURL欄で指定