• CRISPR-Casシステムは外来DNAから断片を獲得し宿主のCRISPR反復配列座位にスペーサーとして組み込む獲得免疫機構を担っている。このスペーサー獲得はCas1とCas2に依存することが明らかにされてきた一方で、クラスIとIIのCRISPRシステムに広く存在しているCas4もスペーサー獲得に関与すると見られていた。今回、米国の研究チームとオランダの研究チームがそれぞれ独立に、獲得免疫機構におけるCas4の機能を詳らかにした。
1. 米国研究チーム論文
  • "Cas4-Dependent Prespacer Processing Ensures High-Fidelity Programming of CRISPR" Arrays. Lee H, Zhou Y, Taylor DW, Sashital DG. Mol Cell. 2018 Mar 27 (Received 2017/12/14; Revised 2018/02/13; Accepted 2018/02/28);Cas4-Cas1 EM電子密度データ - EMDB7485 (2018/03/28時点で未公開) 
  • Bacillus haloduransのタイプI-C CRISPR-CasシステムにおけるCas1、Cas2およびCas4タンパク質のスペーサー獲得への関与をアッセイ
  • Cas4はCas1と密なヘテロ6量体を形成しCas1-Cas2に依存するエンドヌクレアーゼとして、PAMを認識して外来DNA由来断片(prespacer)の3'末端のオーバーハングを切断し、切断されないprespaserのCRISPR座位への組み込みを阻害し、外来DNAに対するスペーサーの忠実度を保証しひいては獲得免疫応答に貢献する。
2. オランダ研究チーム論文
  • Cas4 Facilitates PAM-Compatible Spacer Selection during CRISPR Adaptation.
  • Kieper SN, ~  Brouns SSJ. Cell Rep. 2018 Mar 27. (Received 2017/12/22; Revised 2018/01/25; Accepted 2018/02/27)
  • Synechocystis sp. 6803のタイプI-D CRISPR-Casシステム由来のcas1, cas2およびcas4遺伝子を導入したEscherichia coliにて、スペーサー獲得をアッセイ
  • Cas1タンパク質とCas2タンパク質が、スペーサーの獲得とCRISPR座位への組み込みに必要十分であり、また、スペーサーの長さを調節する。Cas4タンパク質は、スペーサーの長さを短縮し、PAMモチーフを伴うスペーサーを有意に増加することで、Synechocystisの獲得免疫応答に向上に貢献する。