2023-09-22 T. K. Luらの研究チームからの新たなスマート・ピル論文の紹介記事へのリンクを追加:スマートピル:腸内の不安定な炎症性バイオマーカーをその場で実時間検出可能とする非侵襲性のバクテリア・バイオセンサー内蔵マイクロカプセル
2018-05-25 初稿
出典とポイント
2018-05-25 初稿
出典とポイント
- [論文] "An ingestible bacterial-electronic system to monitor gastrointestinal health" Mimee M, Nadeau P [..] Chandrakasan AP, Lu TK. Science. 2018 May 25;360(6391):915-918.
- [PERSPECTIVE] "Illuminating dark depths" Gibson PR, Burgell RE. Science. 2018 May 25;360(6391):856-857.
- YouTube (1m57sビデオ) "The ingestible bacterial-electronic sensor"
- MITのTimothy K. Luとらは今回、摂取可能なマイクロ・バイオ・エレクトロニック・デバイス (ingestible micro-bio-electronic device: IMBED)を開発し、in vitroおよびin vivoでのヘム検出に加えて、消化管炎症のマーカとなり得るチオ硫酸塩や病原菌感染のマーカとなりえるN-アシル-L-ホモセリンラクトン (AHL) 検出を実現した。
バイオセンサー
- Escherichia coli O157:H7由来外膜ヘムチャンネル ChuA、Lactococcus lactis由来ヘム応答性転写抑制因子HrtR、およびPhotorhabdus luminescens由来luxCDABEオペロンで構成した遺伝子回路を、E. coli (MG1655 V1)に組み込み、搬送性膜を通してカプセル内に浸み込んでくるヘムを感知して発光する (原論文 Fig. 1 Probiotic E. coli can be engineered to sense blood in vitro and in vivo)
マイクロエレクトロニクスとの融合
- バイオセンサーからの光に応答するフォトトランジスター、データ処理するマイクロプロセッサー、体外へ信号を送出するワイアレストランスミッターを主要部品とし、容量5 mAhのバッテリーを内蔵して、消化管の環境内で1.5ヶ月間連続使用可能 (原論文 Fig.2 Design and in vitro evaluation of IMBED for miniaturized wireless sensing with cellular biosensors. )
- In vitroでは、32.5 ppmの血液検出を実現
- ブタの胃に直接カプセルを送り込み、外部から付加した0.25 mlの血液によるシグナルの変化を2時間にわたり、ラップトップコンピュータまたはアンドロイド・スマートフォンで解析;52分後からヘム検出し、120分でフォトカレントが5倍に;ヘムトランスポータChuAまたはルシフェラーゼオペロンを欠いた遺伝子回路を組み込んだバイオセンサーからはシグナル無し (原論文 Fig.3 IMBEDs can rapidly detect porcine gastric bleeding )。
- これまでのカプセル内視鏡と同様に、対象器官の洗浄が不要であり生理条件下での測定が可能であり、器官の構造に加えて、ヒト組織由来の生体分子および体内微生物とその産物の測定も可能に
- 今回のプロトタイプはバイオセンサー4セットを組み込んだが、チャネルの追加により、冗長な測定による精度向上や、バイオセンサーの開発による異なる生体分子の多重測定が可能に
- カプセルの位置決技術の改良開発、カプセルのより一層の小型化、バイオセンサーの長寿命化などによる多用途化
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