出典
  • [論文] "Insights into Hunter syndrome from the structure of iduronate-2-sulfatase" Demydchuk M [..] Read RJ. Nat Commun 2018 June 8.;[構造] PDB-5FQL: Insights into Hunter syndrome from the structure of iduronate-2- sulfatase (2.3 Å)
背景
  • 難病に指定されているライソゾーム病の一種であるハンター症候群はライソゾーム酵素の一種であるイズロン酸-2-スルファターゼ (Iduronate-2-sulfatase: IDS)の欠損が病因である (OMIMデータベース登録データ)。
  • IDSは、ライソゾーム内でグルコサミノグリカン (狭義のムコ多糖)のデルマタン硫酸ヘパラン硫酸の分解に関わる主要な酵素である。こうした複雑なグルコサミノグリカンは、細胞の接着、増殖および修復に関与し、ライソゾームにおける分解と再利用が細胞生存に必須である。
  • IDS遺伝子では、複雑な転位、挿入欠失、トランケーション、大規模欠損、スプライシング異常、ミスセンス/ナンセンス点変異と多岐にわたる542種類を超える病因変異が同定され、それらはタンパク質配列上にランダムに位置し、多様な疾患表現型をもたらしている。
  • また、個々の変異は稀が変異なことからほとんどの変異スペクトルが個人/家族に特有になり、重症度の標準化がされていないこと、さらに、IDL以外の遺伝子の変異も複合した疾患表現型も存在することから、ハンター病におけるジェノタイプ/フェノタイプの相関を解き明かすことは困難であった。
成果
  • 今回、英国CIMRとケンブリッジ大の研究チームは、活性サイトに硫酸イオンが共有結合した状態のIDSタンパク質の結晶構造を解き、ミスセンス変異をタンパク質構造上にマッピングし、ハンター病発症の分子機構解明の手がかりを示した。
  • 下図左は原論文の「図1 IDSのX線結晶構造」の引用、下図右は原論文の「図4 ミスセンス変異のIDS構造へのマッピングとIDSの機能に与える影響」の引用
Hunter 1 Hunter 4